教育費を考えるときは、ご家族のみなさんが今選べる進路と、お金が必要になる時期を並べるところから始めてみましょう。幼稚園から大学までを一度に見積もるより、「毎年の支出」と「入学前に用意するお金」に分けると、準備することが見えてきます。

進路がまだ決まっていなくても、焦らなくて大丈夫ですよ。まずは公立・私立それぞれの平均額を参考に、ご家庭の予定を書き出してみましょう(^^)

わが家の進路を考えるときに、平均額の範囲を確認しましょう

幼稚園から高校までの目安には、文部科学省の「子供の学習費調査」を使います。この調査の学習費総額は、学校教育費・学校給食費・学校外活動費の合計です。学校に納めるお金だけでなく、塾や習い事などの費用も含みます。平均額に塾代をそのまま足すと、同じ費用を重ねて数えることがあります。

以下は2023年度の調査値です。2026年1月に一部の数値が訂正されているため、訂正版をもとに掲載しています。今後の請求額や、各家庭に必要な最低額を示すものではありません。出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」訂正版正誤情報

幼稚園から高校までは、時期ごとの年額を見てみましょう

子供1人当たりの年間学習費総額の平均・2023年度
学校段階 公立 私立
幼稚園 184,646円 347,338円
小学校 336,265円 1,828,112円
中学校 542,475円 1,560,359円
高校・全日制 597,752円 1,030,283円

いずれも月額ではなく年額です。学校段階ごとの平均なので、入学する年も、それ以外の年も同じ金額になるとは限りません。出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」表1

幼稚園3歳から高校3年までの15年間について、各学年の平均額を単純合計した目安もあります。

幼稚園から高校までの進路別・15年間の学習費総額
進路 単純合計
すべて公立 6,140,466円
幼稚園だけ私立 6,646,376円
高校だけ私立 7,876,932円
幼稚園と高校が私立 8,382,842円
すべて私立 19,688,737円

これは同じ子供を15年間追跡した実際の支出額ではなく、調査時点の各学年の平均額を足したものです。大学費用は含みません。将来の値上がりも織り込んだ予測ではないため、進路を比べる出発点として使いましょう。出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」表9

大学進学を考え始めたら、学費と暮らしの費用を分けましょう

日本学生支援機構(JASSO)の2024年度調査では、大学学部昼間部の年間学生生活費は、全体平均で2,019,100円です。内訳は学費1,221,800円、生活費797,300円となっています。

大学進学の資料を家族で見る様子
大学学部昼間部の年間学生生活費の平均・2024年度
大学の区分 学費と生活費の合計
国立 1,577,100円
公立 1,463,400円
私立 2,160,300円

ここでいう学費には、授業料や学校納付金に加え、修学費・課外活動費・通学費が含まれます。生活費には食費や住居光熱費などが含まれます。授業料だけの比較ではなく、学生の支出を調べた標本調査の推計値です。出典:JASSO「令和6年度学生生活調査」結果調査概要

入学する年は、納付金と支払期限を確認しましょう

文部科学省の2025年度調査では、私立大学学部の初年度学生納付金等は平均1,507,647円です。授業料のほか、入学料、施設設備費、実験実習料、その他の納付金を含みます。これは大学に納める費用の目安で、生活費込みの金額ではありません。なお、公表された各内訳の表示額を合計すると総計と1円の差があるため、ここでは資料に記載された総計を掲載しています。出典:文部科学省「令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」

この初年度納付金を、先ほどの年間学生生活費に丸ごと足すと、授業料などが重なります。志望大学が決まったら、大学の募集要項や納付金案内で実際の金額と期限を確認し、生活費を別に見積もりましょう。

幼稚園から高校までの統計と大学の統計では、調査年度も費用の範囲も異なります。そのため、両者を足した金額を「幼稚園から大学卒業までの全国一律の教育費」として示すことはできません。

入学前に慌てないために、準備する順番を決めましょう

  1. 子供ごとに、今の学年と次の入学予定年を書きます。
  2. 公立・私立の候補と、大学で自宅から通う可能性を書き添えます。
  3. 学校の案内を確認し、入学料や用品代などの金額・支払期限を記入します。
  4. 毎年の収入から支払う予定額と、事前に取り分ける予定額を分けます。
  5. 準備済みの教育資金を確認し、残りの必要額を積み立てられる月数で割ります。
  6. 進路や家計が変わったときに、予定額を更新します。

次の表は、ご家庭用のメモとして使えます。きょうだいがいる場合は、同じ年に入学が重なるかも確認してみてください。

教育費の支払いと準備を書き込む予定表
時期 確認すること わが家の記入欄
今から次の入学まで 準備済み資金・積み立てられる月数 資金:__円/残り:__か月
小学校・中学校・高校の入学前 用品などの必要額・支払期限 金額:__円/期限:__年__月
大学の出願・入学手続き前 受験関連費・納付金・支払期限 金額:__円/期限:__年__月
大学の在学中 学費・通学費・生活費・修業年限 年額:__円/期間:__年

毎月の積立額は、わが家の不足分から考えましょう

例えば、ある支払期限までに300万円を用意し、そのための資金がすでに60万円あり、残り10年間で毎月積み立てると仮定します。運用益・利息や手数料を考慮しない場合、必要な積立額は月20,000円です。これは計算方法を示す仮想例で、教育費全体の推奨額ではありません。

毎月の負担が大きければ、準備する目標額や、在学中の収入から支払える範囲を見直しましょう。すぐに理想の金額を決められなくても、焦らなくて大丈夫ですよ。

住まい方や進路が変わったら、見積もりを更新しましょう

大学費用は、自宅通学か自宅外通学かでも変わります。JASSOの2024年度調査では、下宿・アパート等に住む学生の割合は、国立59.2%、公立55.8%、私立28.0%でした。大学の区分別平均には住まい方の違いも反映されるため、平均額だけでご家庭の負担を判断しないようにしましょう。出典:JASSO「令和6年度学生生活調査」結果

学部や修業年限、塾・習い事の選び方によっても、見積もる内容は変わります。支援制度を利用する予定がある場合は、対象条件と支援を受けられる時期を確認し、支払期限までに必要なお金と照らし合わせてください。

まずは次の入学時期と、今ある教育資金を一つのメモにまとめるところからで大丈夫です(^^) ご家族の希望を話し合いながら、教育費の準備を無理のない範囲で進めていきましょう。