登園の準備がひと段落する朝8時半は、わたしにとって少し落ち着ける時間です。住まいのお金について考えるなら、月1回の「お金会議」の前に、話したいことをメモしておきたいと思います。親から支援を受ける話も、「いくら出してもらえるか」だけでは決めにくいですね。

住宅購入で親からの支援を考えるときは、契約前、受け取りから入居、翌年の申告という3つの時期に分けると、確認することが見えてきます。非課税になる金額と、家族が無理なく用意できる金額は、別々に考えていきましょう。

1.契約前のお金会議で、支援の形と予算をそろえる

最初に整理したいのは、親からのお金が「贈与」「返済する借入れ」「親も持分を持つ共同購入」のどれに当たるかです。同じ金額でも、返す予定があるか、誰が住宅を所有するかで、確認する内容が変わります。贈与として受け取る場合は、原則として贈与税を検討することになります。

この時期の費用感は、購入代金のうち誰がいくら負担するかを書き出してつかみます。家族のメモには、次の項目を並べると話しやすそうです。

  • 購入代金と、自分たちが出す資金・住宅ローンの予定額を書く。
  • 親が支援できる金額と、渡せる時期を聞く。
  • 贈与か借入れか、親が所有者になるのかを言葉にする。
  • 資金を負担する人と、登記上の持分を照らし合わせる。

親から子への贈与で購入する場合と、親自身が資金を出して持分を取得する場合は分けて整理します。住宅取得等資金の非課税特例を使う子は、共有持分を含め、その住宅を所有する必要があります。「親がお金を出し、名義はすべて別の家族」という予定なら、受け取る人と所有する人の関係を契約前に確認したいですね。

わたしなら、住宅の予算と一緒に、これからの入学・進学の予定も並べます。時期を整理したいときは、教育費を幼稚園から大学まで時期別に考える記事も、家族の話し合いの手がかりになります。

2.受け取りから入居までは、金額と日付を一緒に見る

国税庁の住宅取得等資金の贈与の非課税制度では、2026年12月31日までの贈与について、一定の要件を満たすと次の限度額まで非課税になります。

住宅の区分 受け取る人1人当たりの非課税限度額
省エネ等住宅 1,000万円
それ以外の住宅 500万円

この金額は支援額の目安ではなく、制度の上限です。父母の両方から受け取っても、贈与者ごとに枠が増えるわけではありません。省エネ等住宅の枠を使うには、定められた性能基準に適合し、住宅性能証明書などで証明できることが必要です。

対象は、父母・祖父母などの直系尊属から受ける、本人が住む住宅の取得等の対価に充てる金銭です。配偶者の親は原則として含まれません。夫婦で支援を受ける場合も、誰の親から誰に贈るのかを明確にしておきます。

主な確認項目は、贈与を受けた年の1月1日に18歳以上であること、合計所得金額が原則2,000万円以下であることです。あわせて、床面積・居住用部分の割合・耐震性など、住宅ごとの要件も確認します。

日程では、贈与を受けた翌年3月15日までに資金の全額を住宅取得等に充て、同日までに居住するか、遅滞なく居住する見込みがあることなどが要件です。受け取る日、購入代金を支払う日、引渡し・入居の予定日を一枚に書いておくと、確認しやすくなります。

なお、国税庁の質疑応答事例では、住宅ローン返済のための贈与や、不動産そのものの贈与は、この非課税特例の対象外とされています。購入時の支援と、購入後の返済支援は分けて考えたいところです。

3.翌年の申告に向けて、税金と書類を見直す

特例によって贈与税が0円になる場合でも、特例を使うための申告は必要です。申告期間は贈与を受けた翌年2月1日から3月15日まで。贈与税申告書に加え、戸籍謄本、住宅の契約書の写し、住宅性能を証明する書類など、適用条件に応じた書類をそろえます。

この時期に見積もるのは、非課税枠だけで判断せず、他の贈与も含めた税負担です。通常の暦年課税では、1年間に受けた贈与の合計額から基礎控除110万円を差し引いて計算します。国税庁の複数の人から贈与を受けた場合の説明でも、110万円は贈与者ごとではなく、受け取る人ごとの年間控除とされています。

住宅取得等資金の非課税枠を超える場合には、要件により相続時精算課税を併用できる制度もあります。ただし、同じ贈与者からその年に受ける他の財産にも関わるため、目先の税額だけで決めず、将来の相続まで含めて確認する場面です。制度の関係は、国税庁の住宅取得等資金とその他の財産を同じ年に受け取ったときの説明に整理されています。

今できることは、家族の予定表に確認日を入れること

まず支援額と方法を話し、次に契約・支払い・入居の日付を並べます。そのうえで住宅性能や本人の要件、登記持分を確認し、翌年の申告書類を準備する順番です。家族のメモに「誰が、何を、いつ確認するか」まで書くと、次の行動に移しやすくなります。

わが家の次のお金会議では、住まいに使うお金と、教育費として残したいお金を並べるところから始めたいと思います。