育休に入ったあとの収入が見えないと、毎月の支払いをどう続けるか気がかりになりますよね。育休中のお金を考えるときは、勤務先からの「給与」と、雇用保険からの「給付金」を分けるところから始めると整理しやすくなります。

わが家では、月に1回、夫婦でお金の話をしています。わたしは、金額だけでなく「いつ口座に入るか」も並べて考えたいと思っています。育休の家計も、休業前、開始から180日まで、181日目以降の3つに区切って見ていきましょう。

休業前は、給与と給付金を分けて予定を立てる

育児休業給付金は、勤務先が支払う通常の給与とは別の、雇用保険からの給付です。「育休中も給料の一部がそのまま振り込まれる」と考えると、支払う人も入金の時期も違うため、予定がずれるかもしれません。

休業前に給与と給付金の予定を分けて整理する様子

対象となるのは、原則として雇用保険に加入し、1歳未満の子を養育するために育休を取る方です。休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が通算12か月以上あることなどの要件があります。日数で要件を満たさない場合は、就業時間が80時間以上の月による確認もあるため、まず勤務先に対象となるかを尋ねてみましょう。

勤務先から休業中に給与が出る場合には、給付が調整されることがあります。給与と給付を単純に足して見積もらず、給与の有無と金額を確認することが出発点です。給与が一定額以上になると、給付が支給されない場合もあります。制度の対象や給与との調整は、厚生労働省の育児休業等給付Q&Aで案内されています。

この時期の準備額は、一律に決めるより、給付が入るまでに払う生活費から考えたいですね。家賃や住宅ローン、食費、光熱費など、ご家庭で続く支払いを書き出し、休業中も入る収入と照らし合わせます。出産時の支払いも重なる場合は、出産費用の内訳と自己負担を準備する順番を別に整理すると、育休中の生活費と混ざりにくくなります。

開始から180日までは、67%と入金の待ち時間を見る

育児休業給付金は、開始から180日目まで、原則として休業前賃金の67%です。基になるのは、原則として休業開始前6か月の総支給額で、保険料などを引く前の金額を使い、賞与は除きます。いつもの給与振込額に67%を掛ける計算ではありません。

厚生労働省の概算例を、181日目以降と並べると次のようになります。休業前の欄は額面の平均月額、給付の欄は月額の目安です。

休業前賃金と育児休業給付金の月額目安
休業前の平均月額 開始から180日まで 181日目以降
15万円 約10万円 約7.5万円
20万円 約13.4万円 約10万円
30万円 約20.1万円 約15万円

いずれも概算で、上限や休業中の給与などにより変わります。また、表は毎月その日に入金される額を示すものではありません。

給付金は非課税で、健康保険・厚生年金保険料も要件を満たすと免除されます。そのため、67%の期間は、休業前の手取りの概ね8割程度が目安とされています。ただし、住民税や各家庭の控除なども関わるので、普段使えるお金が一律に8割になるわけではありません。

出生直後の追加給付は、対象期間を分けて考える

出生後休業支援給付金の対象となる場合は、休業前賃金の13%が最大28日分上乗せされます。本人が対象期間に給付対象の育休を通算14日以上取り、原則として配偶者も対象期間内に14日以上育休を取ることなどが条件で、配偶者の要件には例外があります。

両方の給付を合わせると80%となり、手取りで概ね10割相当と説明されています。ただし、これは対象となる限られた期間の目安です。育休全体の収入として見込まず、対象になる日数を勤務先に確認しておくとよさそうです。

給付の月額と、最初に受け取る日を分ける

厚生労働省の試算ツールFAQでは、初回申請は育休開始から2か月経過後と案内されています。書類提出から支給決定までの期間は申請状況などで変わり、決定後の振込は概ね1週間です。「育休開始から2か月で入金」とは限らない点を、支払い予定に織り込みたいですね。

最初の期間は、給付の見込額だけでなく、入金前に口座から出ていく額を見ることが大切です。勤務先に初回申請の担当者と予定時期を聞き、入金日が決まっていない間は、手元の資金でどの支払いまで賄えるかを書いておきましょう。

181日目以降は、50%になる時点で月の収支を見直す

育児休業給付金は、181日目以降、原則として休業前賃金の50%になります。休業前の平均月額が30万円の概算例なら、給付の月額目安は約20.1万円から約15万円へ変わります。給付が続いていても、それまでと同じ予算で暮らせるかは改めて見ておきたいところです。

育休が長くなる時期に毎月の支払いを見直す家族

給付額には上限もあります。厚生労働省の2026年8月1日からの支給限度額では、支給日数30日の場合、67%の上限は月額332,454円、50%の上限は月額248,100円です。額面の給与が高い場合も、そのまま67%や50%を受け取れるとは限りません。

この時期の費用感は、「50%の給付で賄える支払い」と「手元の資金から補う支払い」に分けると具体的になります。休業を続ける予定期間を予定表に入れ、住居費や食費などを並べてみましょう。見直すなら、変更できる支出を一つずつ選ぶ形でも十分です。

今できる準備は、税金と支払い予定を一枚にまとめること

給付金が非課税でも、住民税の支払いがなくなるとは限りません。住民税は前年の収入を基に決まるため、育休中も納付が必要になる場合があります。勤務先に納付方法と見込額を確認し、生活費とは別の欄に書いておくと、使えるお金を捉えやすくなります。

健康保険・厚生年金保険料の免除は、事業主の申出などが必要です。休業日程によって対象期間が変わるため、予定している開始日と終了日を伝えて確認しましょう。非課税や保険料免除、住民税の扱いは、日本年金機構の育休中の経済的支援の案内でも整理されています。

  • 休業前:給与明細を見て、賞与を除く総支給額と普段の手取りを別々に書く。
  • 開始直後:初回申請の予定を聞き、入金前に支払う生活費と住民税を並べる。
  • 181日目以降:50%の給付額を基に、休業を続ける期間の収支を書き直す。

ご家族のみなさんで予定を共有するときも、最初から正確な金額を全部埋めなくて大丈夫です。まずは勤務先への確認事項と、直近の支払日を書き出すところから。今の暮らしに負担をかけないペースで、見通せる範囲を少しずつ広げていけるといいですね。