子どもの教育費も、自分たちの老後のお金も、どちらも気になって、何から考えたらいいのか迷ってしまいますよね。わたしも上の子が生まれたころ、まさに同じところで立ち止まっていました。

保育園児と小学生を育てながら、わが家では夫婦で月に1回「お金会議」を開いています。続けるうちに、教育費と老後資金は「どちらを先に貯めるか」よりも、「いつ、どのお金が必要になるか」で分けたほうが話し合いやすいと感じるようになりました。ご家族のみなさんと一緒に、子どもの成長を3つの時期に分けて見ていきますね。

入園から入学前まで:出ていくお金がまだ落ち着いているころ

幼稚園や保育園に通うころの学習費は、この先の時期と比べると控えめです。文部科学省の「子供の学習費調査」(令和5年度)では、幼稚園の1年あたりの学習費総額は公立で約18.5万円、私立で約34.7万円とされています。

この時期の家計を支えてくれるのが児童手当です。こども家庭庁の案内によると、2024年10月分から所得制限がなくなり、支給は高校生年代(18歳になった後の最初の3月31日まで)に広がりました。月額は3歳未満が15,000円、3歳以上高校生年代が10,000円、第3子以降は年齢を問わず30,000円です。

ただ、わたしは以前、児童手当の振込口座を生活費と同じにしていて、気づいたら使い込みかけていました(;´∀`) それ以来、手当は「子どもの先のためのお金」として口座を分け、お金会議のたびに残高を確かめるようにしています。

小学校から高校まで:学習費が少しずつ増えていくころ

小学校に上がると、学校にかかる費用に加えて、習い事や塾の出費も少しずつ増えていきます。同じ調査の1年あたりの学習費総額を並べると、次のようになります。

幼稚園から高校卒業までの15年間の学習費総額 幼稚園から高校卒業までの15年間の学習費総額 単位:万円 0 500 1,000 1,500 2,000 すべて公立 幼稚園のみ私立 幼稚園・高校が私立 すべて私立 596 647 776 1,976

幼稚園から高校卒業までの15年間の学習費総額(単位:万円)
項目 学習費総額
すべて公立 596
幼稚園のみ私立 647
幼稚園・高校が私立 776
すべて私立 1,976
出典:高校までの学習費、私立1,976万円・公立596万円…文科省|リセマム
1年あたりの学習費総額(文部科学省「子供の学習費調査」令和5年度)
時期 公立 私立
小学校 約33.6万円 約182.8万円
中学校 約54.2万円 約156.0万円
高校 約59.8万円 約103.0万円

出典:三井住友信託銀行のコラム(文部科学省調査の引用値)

幼稚園から高校卒業までの15年間で見ると、すべて公立の場合は596万円、すべて私立の場合は1,976万円です。幼稚園だけ私立でほかが公立なら647万円、幼稚園と高校が私立なら776万円と、どこで私立を選ぶかによって総額が変わります。

わが家は上の子の習い事を増やしすぎて、半年で二つやめたことがあります。毎月の出費が積み重なりやすい時期だからこそ、老後に向けた積み立てを止めずにいられるかどうかを、お金会議でよく話し合っています。

大学進学のころ:教育費と老後の準備が重なるころ

大学に進むと、一度に大きなお金が動きます。日本政策金融公庫の解説では、入学金や授業料などの初年度費用は国立81.8万円、公立92.8万円、私立文系118.9万円、私立理系156.6万円、私立医歯系489.1万円です。幼稚園から大学まで通した目安は、すべて公立で約822.5万円、すべて私立で約2,307.5万円とされています。

4年間の入学・在学費用の合計は、国公立で約481万円、私立文系で約689万円、私立理系で約821万円という試算もあります。自宅を離れて通う場合は、年間の仕送り額の平均が95.8万円、通学を始めるときの費用が38.7万円です(保険クリニックの解説)。

親の年齢によっては、この時期に自分たちの老後も近づいてきます。日本年金機構によると、令和6年度の年金額は、国民年金(老齢基礎年金の満額)が月額68,000円、厚生年金の夫婦2人分の標準的な額が月額230,483円で、前年度から2.7%引き上げられました。

一方で、生命保険文化センターがまとめた総務省「家計調査」2025年平均では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯で、可処分所得が月約22.2万円、消費支出が月約26.4万円となり、月あたり約4.2万円が不足しています。仮にこの不足が25年続いたとすると、わたしの計算では合計で約12,600,000円になります。

3つの時期を見渡して、今の暮らしでできること

教育費は必要になる時期が比較的はっきりしていて、老後資金はずっと先まで続きます。この時期の違いに合わせて、使う制度を分けて考えるのも一つの方法です。

60歳以降のお金とiDeCo

iDeCoは、20歳以上65歳未満の公的年金の被保険者が加入でき、掛金・運用益・受け取り時に税制の優遇があります。老齢給付金を受け取り始められるのは60歳から75歳の間なので、子どもの進学費用とは切り離した「老後のためのお金」として位置づけやすいしくみです。

使う時期をまだ決めきれないお金と新NISA

2024年に始まった新NISAは制度が恒久化され、非課税で持ち続けられる期間にも期限がありません。年間の投資枠はつみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円で最大360万円、生涯の非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)です。上の子のときに学資保険とジュニアNISAを使ってみて、わたしは「進学のころに使うかもしれないお金」と「老後まで置いておくお金」を、目的ごとに分けて書き出しておくと迷いにくいと感じました。進学が近いお金ほど値動きとの付き合い方も変わるので、ご家族で話しておくと安心かもしれません。

次のお金会議で話せること

  1. 子どもの学年と、入学・進学する年を年表に書き出す
  2. 児童手当の振込口座を、生活費の口座と分ける
  3. 教育費の積み立てと老後の積み立てを、別々の金額で決める
  4. 年に1回、進路の希望や家計の変化に合わせて金額を見直す

全部を一度に決めなくても大丈夫ですよ。幼稚園から大学までの費用をもう少し細かく確かめたいときは、幼稚園から大学まで時期別の教育費の目安と準備の順番もあわせて読んでみてください。

次回は、育休から復職する前に見直したい家計の項目を取り上げる予定です。保育や通勤、食費がどう変わるのか、わが家の場面もまじえてお話ししますね(^^)